歯石除去は痛い?痛みが出る理由と軽減する方法を歯科医が徹底解説
2025/12/25
歯石除去で痛みを感じる方へ
「歯石取りは痛そうで怖い・・・」
そんな不安から、歯科医院への足が遠のいてしまう方も少なくありません。
確かに、歯石除去の際に痛みを感じることはあります。しかし、基本的に歯石取り自体は痛みが出る治療ではありません。痛みがある場合は、お口の中で何かしらの問題が起きている可能性が高いのです。
本家歯科医院では、患者様が安心して予防ケアを受けていただけるよう、痛みの軽減を徹底しています。今回は、「歯石除去で痛みが出る理由」「痛みを軽減する方法」について、歯科医の視点から詳しく解説します。
そもそも歯石とは?なぜ取る必要があるのか
歯石は、磨き残した歯垢(プラーク)が唾液中のミネラルと結合して、時間の経過とともに石のように固くなったものです。
歯垢は柔らかく、歯磨きで除去することができます。しかし、歯垢が歯石に変わるのは2〜14日程度と意外に早く、一度歯石になってしまうと、どんなに高価な電動歯ブラシを使っても、ご自身で取ることは絶対にできません。
歯石自体は病原性があるものではありませんが、表面がザラザラしており、内部は軽石のようにスカスカです。そのため、プラークが付着・蓄積しやすく、細菌の温床となりやすいのです。
歯石を放置するとどうなる?
歯石を放置すると、以下のような問題が起こります。
- 歯周病の進行:歯石周辺に付着したプラークの中の細菌が、歯茎に炎症を起こします。炎症が続くと、歯を支えている骨が徐々に溶けていく歯周病へと進行します。
- 口臭の原因:歯石やその周りのプラークの中にいる細菌が、嫌なニオイのガスを作り出します。
- 見た目の悪化:特に下の前歯の裏側や上の奥歯の外側に歯石がつくと、歯が黄ばんで見えたり、黒っぽい塊が付着しているように見えます。
歯周病は糖尿病・心疾患・早産などの全身疾患と大きく関わることが近年分かっており、定期的な予防ケアの重要性が高まっています。
歯石取り治療の目的
歯石取り治療の目的は、この細菌の住処となりやすい歯石を除去し、歯の表面や根っこをツルツルの状態にして、プラークや細菌が付着しにくくすることです。
実際に、歯石取りを行うと、お口の中の細菌は激減します。ただし、お口の環境は正しくケアしていただかなければ、数ヶ月で元に戻ってしまうので、定期的なクリーニングとご自身のケアが非常に重要になります。
歯石除去で痛みが出る3つの理由
歯石取りは、基本的に痛みは生じません。
しかし、歯石の蓄積状態や歯茎の状態によっては痛みを感じてしまうこともあります。痛みを感じやすい主な原因を3つお伝えします。
①歯茎の炎症が原因で痛い

歯石取りの最中に痛いときは、歯周病が原因かもしれません。
歯周病は歯茎の炎症から始まり、進行すると歯を支えている骨が徐々に少なくなっていく病気です。歯石は細菌の住処となりやすいため、歯石が付着していると歯茎は細菌感染を起こし炎症を引き起こしやすくなります。
軽い炎症なら痛みを感じにくいですが、歯茎から出血が見られる場合などは炎症が強く、痛みを感じやすくなります。歯石除去の際に炎症した歯茎に触れることになるため、痛みに繋がるのです。
②歯石の蓄積量が多いと痛い
歯石は歯ブラシでは取れません。そのため、放っておくと少しずつ蓄積し、硬くなります。
硬くなった歯石は、取り除くのに強い力が必要になります。その刺激で痛みを感じやすくなるのです。歯石取りを定期的に受けていただくと、歯石が蓄積しにくく、硬くなりすぎる前に除去することができるので、痛みも感じにくくなります。
③知覚過敏が原因で痛い・しみる

知覚過敏とは、温度刺激(特に冷たいもの)などで感じる一過性の痛みで、虫歯や歯の神経(歯髄)には異常がないときの症状を指します。
歯と歯茎の間は知覚過敏になりやすく、特に歯茎が下がっている場合に起こりやすいです。歯石取りの際に痛みを感じるときは、知覚過敏の可能性もあります。
歯石の量が少なければ、知覚過敏用の薬を塗布してから治療を行ったり、治療中に水を使用する場合はお湯に換えて治療を進めることで痛みを軽減させる方法もあります。
歯石除去後に痛みを感じる理由
歯石取りを行った後に痛みやしみる症状が続くことがあります。
特に、「歯石の付着量が多く、歯茎の炎症が強い方」に症状が出やすいです。
歯石が覆っていた歯が露出して敏感になる
歯石の付着量が多いと、歯と歯茎の間の部分を覆うように歯石が付着することがあります。歯が歯石で覆われていると外部からの刺激が歯に伝わりにくくなります。
このような状態で、歯石取りを行うと、それまで伝わりにくくなっていた刺激が直接歯に伝わるようになり、しみるような症状が生じやすくなります。歯石が除去された後、歯の表面が一時的に露出し、温度の変化や甘いものなどに対する感受性が増すことがあるのです。
数日で症状が落ち着いてくることがほとんどですが、長く続く場合は、知覚過敏用の歯磨き粉などを使用していただくと良いです。
歯茎への刺激による一時的な痛み
歯石を取り除く際に、歯茎を刺激してしまいます。その結果、処置後に一時的な痛みや腫れを感じることがありますが、徐々に収まります。
また、歯石が蓄積している方は、長い間歯茎の炎症が繰り返し起こっている可能性が高いです。炎症を繰り返している方は、治療完了後に、歯茎が下がりやすくなります。歯茎が下がると歯の根っこの部分が出てきます。歯の根の部分は、外部の刺激が伝わりやすく、冷たい物を食べたり飲んだりすると、しみる症状が出やすくなります。
痛みを軽減する方法〜本家歯科医院の取り組み
本家歯科医院では、患者様が安心して歯石除去を受けていただけるよう、痛みの軽減を徹底しています。
超音波スケーラーによる優しい除去
当院では、主に「超音波スケーラー」という機器を使用しています。
かつてのように「ガリガリ」と力任せに削り取るのではなく、超音波の細かい振動と水流で、歯石を粉砕して弾き飛ばします。歯や歯茎への負担が最小限で済むため、痛みや出血が大幅に軽減されています。
状態に合わせた段階的な治療
痛みが強い場合は、ブラッシングなど適切なケアを行い、最初に歯茎の炎症を落ち着かせてから治療を行ったり、必要な場合は麻酔を使用して治療を行います。
歯石の量が多かったり、痛みが強い場合は、数回に分けて少しずつ丁寧に取り除く必要があります。無理に一度で終わらせようとせず、患者様の状態に合わせて複数回に分けるなど痛みの軽減を徹底しています。
知覚過敏への配慮
「水がしみるのが怖い」という方には、超音波のパワーを調整したり、手作業で丁寧に汚れを除去するなど、お一人おひとりの感じ方に合わせて対応します。
私たちは、「痛かったら手を挙げてくださいね」という形式的な声かけだけでなく、患者様の表情、体動を見ながら、無理のないペースで進めることを大切にしています。
担当制歯科衛生士によるきめ細やかな対応
本家歯科医院では、歯科衛生士が担当制でじっくり向き合い、将来のトラブルを最小限に抑える体制を整えています。
患者様ごとに完全オーダーメードの予防プログラムを提供し、リスク検査を行い、ブラッシング方法、使用する歯ブラシ・歯磨き粉、フッ素の取り入れ方、食生活での注意点、健診の最適な頻度を個別に設定します。
歯石除去後の痛み対策〜ご自宅でできるケア
歯石取り後に痛みを感じる場合、以下の対策が有効です。
刺激のある食べ物や飲み物を避ける
歯石取り後は一時的に歯が敏感になることがあります。そのため、冷たいものや熱いもの、辛いものなど刺激のある食べ物や飲み物を避けることで、痛みを軽減できます。
やさしいブラッシング
歯石取り後は歯茎が敏感になることがあるため、やさしくブラッシングすることが大切です。歯ブラシは柔らかめのものを選び、力を入れずに歯を磨くように心がけましょう。
知覚過敏用の歯磨き粉を使用する
歯石取り後にしみる痛みがある場合は、知覚過敏用の歯磨き粉を使用することが効果的です。知覚過敏用の歯磨き粉には、歯の表面を保護する成分が含まれており、痛みを軽減できます。
痛みを予防する〜定期的な歯石除去の重要性
歯石取りの痛みを軽減するために、以下の予防策が有効です。
日常のブラッシングの徹底
歯石ができる前に、歯垢をしっかり除去することが、歯石取りの痛みを軽減する最も効果的な予防策です。
歯ブラシや歯間ブラシ、フロスを使って、歯と歯茎の隙間を丁寧に磨くことが大切です。デンタルフロスによる隙間ケアは、歯垢を残さず落とすために非常に重要です。
定期的な歯科検診の受診
歯石の量が増える前に歯科医院で歯石を除去することで、歯石取りの痛みを軽減できます。一般的に歯石の除去は3〜6ヶ月に1度が目安です。
定期的に歯科検診を受けることで、歯周病や虫歯のリスクも低くなります。多くの方は3〜6か月ごとに通い、口内環境に合わせて提案されます。
定期健診による「早期発見・早期対応」により、毎日のセルフケアだけでは歯垢や歯石をすべて取り除くことができないため、定期的なプロフェッショナルケア(PMTC)と精密な口腔内検査を組み合わせ、虫歯・歯周病を早期に発見し、最小限での介入を可能にしています。
まとめ〜痛みのない予防歯科を目指して
歯石除去で痛みを感じる主な理由は、「歯茎の炎症」「歯石の蓄積量」「知覚過敏」の3つです。
痛みを軽減するためには、超音波スケーラーによる優しい除去、状態に合わせた段階的な治療、知覚過敏への配慮が重要です。また、歯石除去後は、刺激のある食べ物を避け、やさしいブラッシングを心がけ、知覚過敏用の歯磨き粉を使用することで、痛みを和らげることができます。
そして何より大切なのは、定期的な歯科検診です。
歯石が蓄積する前に除去することで、痛みを最小限に抑えることができます。3〜6ヶ月に一度の定期健診を習慣にすることで、お口のトラブルは確実に減り、将来の治療費も大きく抑えられます。
本家歯科医院では、予防歯科を単なる「お掃除」ではなく、あなたの将来の健康を守るための総合ケアと考えています。「歯を治療するだけでなく、患者様の口腔内が長期的に健康であり続けること」──これが、本家歯科医院の予防歯科が大切にしている考え方です。
治療を繰り返さないために、そしてご自身の歯で生涯食事を楽しむために、私たちと一緒に"未来の口腔健康"を守っていきましょう。
予防を始めるのに遅すぎることはありません。
大きな治療を避けたい、いつまでも自分の歯で食事を楽しみたい──そんな想いを、本家歯科医院が全力でサポートします。
歯石除去に不安を感じている方は、ぜひ一度ご相談ください。あなたのお口の状態に合わせた、痛みの少ない予防プログラムをご提案いたします。
著者情報

院長 本家 慶洋(ほんけ よしひろ)
経歴
2012年 朝日大学歯学部歯学科 卒業
2012年 大阪歯科大学保存修復科 研修
2014年 大阪歯科大学歯内治療科 勤務
2015年 医療法人山羽歯科医院 勤務
2015年 医療法人宏仁会小池歯科医院 非常勤勤務
2018年 医療法人山羽歯科医院 副院長就任
2021年 本家歯科医院 開院
資格・所属学会
日本口腔インプラント学会 会員
日本臨床歯周病学会 会員
インビザラインGo認定ドクター
MORITA PRACTICE COURSE
JIADS ペリオコース
GCマイクロスコープセミナー
青嶋徹児先生ダイレクトボンディングセミナー
GPOレギュラーコース
中田光太郎先生ティッシュマネジメントセミナー
経歯槽上顎洞底挙上術セミナー