セラミック治療について
2022/04/04
こんにちは、本家歯科医院院長の本家です。
今回はセラミック治療について詳しく説明しようと思います。
セラミック(セラミックス)とは
固体材料のうち、非金属元素からなる材料(例:シリコンやダイヤモンド)と、金属元素と非金属元素の組合せである無機化合物材料(酸化物、炭化物、窒化物など)です。実はセラミックスは身の回りにたくさんあり、鉄やアルミなどの金属、プラスチックやナイロンなどの有機物を除いた材料が全てセラミックスなのです。
例)陶器、ガラス、ダイヤモンドなど
歯科で扱っているセラミック
歯科で扱っているセラミックは大きく分けて以下4つです。
ざっくり説明いたします。
長石系セラミック:セレックブロックなど
- 透明感があり色彩が非常に綺麗
- あまり硬くなく割れやすい
- 奥歯には不向き
- 強度160MPa
ハイブリッドセラミック:VITA ENAMICなど
- 長石系セラミックにレジン(プラスティック)を混ぜているもの
- あまり硬くはないが、プラスティックを混ぜており粘り気がある為割れにくい
- 多少の変色がある
- あまり咬合力がかからない大臼歯までなら適応可能
- 強度160MPa
強化型ガラスセラミック:e-max、Tesseraなど
- 色調再現性が良く、ある程度の強度があるもの
- 透明感は長石系セラミックには劣る
- ほぼ全ての歯に適応可能であるが、最後方臼歯には不向き
- ファーネスという機械で焼く作業(焼成)が必要な為即日修復は不可
- 強度530 ~ 700MPa
ジルコニア:ZR Lucent、KATANA Zirconia Blockなど
- 人工ダイヤモンドといわれており、最高の強度をもつ
- 透明感がなく色調再現性はあまり良くない
- 前歯には不向き
- ステイニング(色つけ)を行うことにより審美性は改善する
- ファーネスという機械で焼く作業(焼成)が必要な為即日修復は不可
- 強度750 ~ 1210MPa
当院ではすべての種類のセラミックを扱っております。セラミックの材質の違いは分かりにくく違いを理解するのは難しい為、患者様の咬合状態や見た目の希望に合わせてセラミックの種類を選ばせていただいています。その為セラミックの材質で値段の違いはございませんので、是非ご相談ください。
インレー:¥44000
クラウン:
¥83600(ステイン無し)
¥99000(ステイン有り)
¥148500(プレミアムCr、主に前歯1本ケース)
銀歯とどう違うの?
銀歯(保険適応)の特徴
- 銀歯は電荷を帯びている為、電気的な力でプラーク(歯垢)が付着しやすい
- 適合精度にムラがある
- 接着が弱い
- 2次虫歯(金属と歯の境目から虫歯になること)が多い
- 口腔内で金属イオンが溶け出し、金属アレルギーの原因になる
- 歯茎が黒くなる(メタルタトゥー)
- 見た目が悪い
- 保険適応の為、比較的安価
セラミックの特徴
- 電荷を帯びていない為プラークが付着しにくい
- 適合精度が良い
- 歯と化学的に接着する為、接着力が強い
- 2次虫歯が少ない
- 口腔内で安定した材料の為、金属アレルギーやメタルタトゥーの原因にならない
- 白くて見た目がきれい
- 保険適応の金属と比べると高価
- 割れることがある(ジルコニアに関してはほぼ心配がない)
以上の特徴から銀歯は、口腔内において安定した材料ではありません。金属イオンが溶け出すことによって様々な問題が起こります。見た目ももちろん悪いですが、歯科的な観点から言えば、2次虫歯になりやすいことが1番の欠点かと思います。2次虫歯になればさらに自分の歯を削らなくてはいけない為、あまりおすすめはできません。
セラミックは安定した材料で見た目もきれいですが、割れることがあるということが1番の問題点でした。しかし、近年ジルコニアの適合精度や審美性が向上し、すべての歯にジルコニアが適応できるようになり欠点がほぼなくなりつつある様に感じます。
1本の歯は約6回の治療で抜歯に至るとも言われています。出来るだけ治療介入を減らし、歯の寿命を伸ばすためにも当院では予防的な観点からセラミックをお勧めさせていただいております。
当院でのセラミック治療
当院ではセレックシステムというシステムを用いて治療を行っております。
セレックシステムとは、簡単に言えば、口腔内スキャナーで3D撮影を行い、そのデータ上で詰め物、被せ物を設計し、院内にあるミリングマシンという機械で削り出すシステムです。すべて院内で行う為スピードが速く精密な詰め物、被せ物が作成できます。
セレックシステムについては次回詳しく説明します。