セレックは二次虫歯を防げる?口腔内スキャナーの適合精度が虫歯再発を抑制する理由
2026/07/22
セレックは二次虫歯を防げる?口腔内スキャナーの適合精度が虫歯再発を抑制する理由
セレック治療とは何か? ―デジタル補綴システムの基本を知る
セレック(CEREC)とは、口腔内スキャナー・CAD/CAMソフトウェア・ミリングマシンを組み合わせた院内完結型のデジタル補綴治療システムです。歯科技工所への外注が不要なため、最短1日で詰め物・被せ物が完成します。
従来の治療では「シリコン印象材でのアナログ型取り→石膏模型→技工所製作」という工程を経るため、複数回の通院が必要でした。セレックはこの工程をすべてデジタル化し、1〜2時間程度で補綴物を院内で削り出します。
本記事では、セレックの適合精度がなぜ二次虫歯を抑制するのか、その仕組みと臨床的根拠、費用、向いている患者様の特徴まで詳しく解説します。
大阪市北区の歯医者 本家歯科医院
つめ物の再治療を繰り返したくない方へ
当院ではセレック(CAD/CAM)による治療に対応しています。口腔内スキャナーで型どりを行い、適合に配慮した修復物をご提供します。まずはご相談ください。

セレックの主な構成要素
- 口腔内スキャナー(プライムスキャン等):小型カメラでお口の中を3Dデータ化する
- CAD/CAMソフトウェア:スキャンデータをもとにコンピューターが補綴物を設計する
- ミリングマシン:設計データに従いセラミックブロックを削り出す
デンツプライシロナ社のプライムスキャンは、1秒間に100万を超える3Dポイントを処理するスマートピクセルセンサーを搭載しており、写真のようにリアルで高精度な口腔内データを取得できます。
二次虫歯はなぜ起きる? ―従来補綴物の「隙間問題」を理解する
二次虫歯(二次カリエス)とは、詰め物や被せ物の周囲から再び虫歯が進行する現象です。その最大の原因は、補綴物と歯の間に生じる「微細な隙間」です。
隙間があると、そこにプラーク(歯垢)や細菌が入り込み、歯質を溶かし始めます。従来のアナログ型取りでは、印象材の変形・石膏の膨張収縮・技工士の手作業による誤差が積み重なり、どうしても微細な隙間が生じやすい構造でした。
アナログ型取りに潜む誤差の連鎖
- 印象材の変形:シリコン系印象材でも撤去時・保管中に数μm〜数十μmの変形が起こりうる
- 石膏模型の誤差:石膏流し込み時の気泡・膨張収縮で実寸からズレが生じる
- 技工所での製作誤差:手作業による削合・研磨の精度は術者依存になりやすい
- 輸送・保管中の変形:模型や補綴物が技工所との往来で微変形するリスクがある
これらの誤差が積み重なると、装着時に「見た目は合っているが微細な隙間がある」状態が生まれます。この隙間が二次虫歯の温床となります。
口腔内スキャナーの適合精度はどのくらい高いのか?
口腔内スキャナーによるデジタル印象は、アナログ型取りと比べて真度(実寸との一致度)・精度(再現性)ともに優れていることが複数の研究で示されています。
チューリッヒ大学のMehl教授らが2019年に発表した比較研究では、プライムスキャンが複数の口腔内スキャナーの中で真度・精度ともに最上位クラスの結果を示しました。
また、日本補綴歯科学会誌に掲載されたレビュー(2024年)では、「口腔内スキャナーの再現性は部分的な範囲では固定性補綴装置を製作できる可能性を示している」と評価されており、デジタル印象の臨床的有用性が学術的にも認められています。
プライムスキャンが高精度を実現する技術的理由
- 被写界深度20mm:従来機(オムニカム)の2倍の深度で、縁下マージンや最後臼歯遠心部も鮮明に撮影できる
- 1秒間に100万超の3Dポイント処理:スマートピクセルセンサーが超高密度データを生成する
- セルフヒーティング機能:口腔内でカメラが曇らず、安定したスキャンが可能になる
- インテリジェントプロセッシング:膨大なデータから必要な情報だけを高速処理し、完全な3Dモデルを即時表示する

セレックはなぜ二次虫歯になりにくいのか? ―精密設計と接着の相乗効果
セレックが二次虫歯を抑制できる理由は、「精密な適合」と「強力な接着」の2つが組み合わさるからです。どちらか一方だけでは不十分で、両者が揃って初めて隙間のない補綴物が実現します。
①デジタル設計による高適合
口腔内スキャナーで取得した3Dデータをもとに、CAD/CAMソフトウェアが補綴物を設計します。コンピューターによる設計は人的誤差を排除し、歯の形状に沿ったミクロン単位の精密な補綴物を実現します。
ミリングマシンがセラミックブロックを削り出す際も、設計データを忠実に再現するため、アナログ工程で生じていた「技工士の手作業による誤差」が介在しません。
②セラミックの特性とプラーク付着しにくさ
セレックで使用するセラミックブロックは、金属やレジン(プラスチック)と比べてプラーク(歯垢)が付着しにくい素材です。表面が滑沢なため、細菌が定着しにくく、補綴物周囲の衛生状態を保ちやすい特長があります。
また、セラミックは経年的な変色がほとんどなく、素材自体が劣化・変形しにくいため、長期間にわたって適合状態を維持できます。
③特殊接着剤による密着固定
セレックの補綴物は、歯とセラミックを化学的に結合させる特殊な接着剤(レジンセメント)で固定します。従来の合着剤(セメント)と異なり、歯質とセラミックが分子レベルで結合するため、外れにくく隙間も生じにくい構造です。
この接着技術により、「補綴物が外れる→隙間から虫歯が進行する」という悪循環を断ち切ることができます。
院内で設計・製作するセレック治療
当院は口腔内スキャナーとミリングマシンを備え、院内で修復物を製作しています。お口の状況によっては1日で終わらない場合もありますので、まずは診察でご確認ください。
セレックの長期成績はどのくらいか? ―残存率データから見る耐久性
セレック治療の長期成績を示すデータとして、15年予後の残存率は約93%という臨床研究の結果があります。これは従来の通常治療(約68%)を大きく上回る数値です(福富歯科クリニック 臨床研究データ引用)。
また、本家歯科医院でも「10年以上の残存率が90%以上」というデータを治療説明の根拠として採用しています。これは、セレックによるセラミック補綴物が長期的に安定した状態を保つことを示しています。
長期成績が高い理由のまとめ
- 適合精度の高さ:隙間が生じにくく、二次虫歯や脱落リスクが低い
- セラミックの耐久性:規格生産されたブロックを使用するため品質が安定している
- 変色しない素材:セラミック自体は変色せず、長期間にわたり審美性を維持できる
- プラーク付着しにくさ:衛生管理がしやすく、周囲の歯周組織も健康に保ちやすい
セレック治療の流れ・費用はどのくらいか?
本家歯科医院のセレック治療は、診査から装着まで最短1日(1〜2時間程度)で完了できます(歯の状態によっては複数日になる場合もあります)。
治療の流れ(5ステップ)
- 診査・相談:レントゲン撮影・現状確認後、治療内容と費用を丁寧に説明します
- 虫歯・古い金属の除去:必要に応じて麻酔を行い、虫歯や金属を除去します
- 3Dスキャン(光学印象):口腔内スキャナーでお口の中を撮影します。従来の型取りのような不快感はありません
- 補綴物の設計・削り出し:コンピューターでデザインし、ミリングマシンがセラミックブロックを削り出します
- 装着・調整:噛み合わせを確認し、お口にぴったり合うよう微調整してセットします
費用(税込・自由診療)
- セレックインレー(詰め物):49,500円
- セレッククラウン(被せ物):88,000〜99,000円(前歯は149,600円)
すべて自由診療となります。保険診療の銀歯と比較すると費用は高くなりますが、長期残存率の高さや二次虫歯リスクの低さを考慮すると、長期的なコストパフォーマンスに優れた選択肢です。

セレックはどんな方に向いているのか? ―適応患者の特徴
セレック治療は、審美性・精度・利便性のすべてを重視する方に特に適しています。以下に当てはまる方は、ぜひご相談ください。
- 銀歯を白く自然な歯にしたい方:セラミックは透明感が高く、天然歯に近い色調を再現できます
- 忙しくて何度も通院できない方:最短1日で治療が完了するため、通院回数を大幅に減らせます
- 金属アレルギーが心配な方:金属を一切使用しないため、アレルギーの心配がありません
- 虫歯になりにくい素材で長持ちさせたい方:高適合・高耐久のセラミックで二次虫歯リスクを低減できます
- 嘔吐反射があり型取りが苦手な方:口腔内スキャナーを使うため、従来の型取りの不快感がありません
- できるだけ費用を抑えてセラミックにしたい方:院内製作により技工所への外注コストが不要で、比較的リーズナブルな価格設定が可能です
従来の銀歯・レジン治療とセレックの違いは何か?
セレックと従来治療を比較すると、適合精度・審美性・通院回数・二次虫歯リスクの4点で大きな差があります。
- 適合精度:セレックはデジタル設計で誤差が少ない。従来はアナログ工程の誤差が積み重なりやすい
- 審美性:セレックはセラミックで自然な白さ。銀歯は金属色で目立ち、歯ぐきが黒く変色することもある
- 通院回数:セレックは最短1回。従来は型取り→技工所製作→装着で最低2〜3回必要
- 二次虫歯リスク:セレックは高適合・プラーク付着しにくさで低リスク。銀歯は経年劣化で隙間が生じやすい
- 変色:セラミックは変色しない。レジン(プラスチック)は経年で黄ばみやすい
- 金属アレルギー:セレックは金属不使用で安心。銀歯はアレルギーリスクがある
本家歯科医院では、患者様一人ひとりのお口の状態・ご希望・ライフスタイルに合わせて、最適な治療プランをご提案しています。セレック治療について詳しく知りたい方、銀歯を白くしたい方は、まずはお気軽にご相談ください。初診時の診査・相談は丁寧に対応いたします。
よくある質問
セレックは本当に1日で治療が終わりますか?
多くの場合、最短1日(1〜2時間程度)で治療が完了します。ただし、歯の状態や治療範囲によっては複数日になる場合もあります。初診時に詳しくご説明します。
セレックの補綴物は外れやすくないですか?
特殊なレジンセメント(接着剤)で歯質と化学的に結合するため、外れにくい構造です。適合精度が高いため隙間も生じにくく、二次虫歯も起こりにくいとされています。
セレックのセラミックはどのくらい長持ちしますか?
15年予後の残存率は約93%という臨床研究データがあります。10年以上の残存率が90%以上というデータもあり、適切なケアを続ければ非常に長持ちします。
セレックは保険が使えますか?
セレック治療はすべて自由診療(保険外)です。セレックインレーが49,500円、セレッククラウンが88,000〜99,000円(税込)となっています。
従来の型取りが苦手でも大丈夫ですか?
口腔内スキャナーを使うため、従来のシリコン印象材を使った型取りは不要です。小型カメラでスキャンするだけなので、嘔吐反射がある方や型取りが苦手な方も安心して受けられます。
金属アレルギーがありますが、セレックは受けられますか?
はい、セレックは金属を一切使用しないため、金属アレルギーの方も安心して受けられます。歯ぐきが黒く変色する心配もありません。
セレックのセラミックは変色しますか?
セラミック自体は変色しません。レジン(プラスチック)と異なり、経年的な黄ばみがほとんどなく、長期間にわたり自然な白さを維持できます。
二次虫歯になりにくいのはなぜですか?
口腔内スキャナーとCAD/CAMによる精密設計で補綴物と歯の隙間が最小化され、プラークが付着しにくいセラミック素材と特殊接着剤の組み合わせが二次虫歯を抑制します。
セレックはどんな歯に使えますか?
詰め物(インレー)から被せ物(クラウン)まで対応しています。銀歯の交換、虫歯治療後の補綴、審美改善など幅広い症例に適用できます。まずは診査でご確認ください。
セレックと技工所製のセラミックはどちらが良いですか?
セレックは院内製作で最短1日完了・コスト抑制が強みです。技工所製は複数回通院が必要ですが、より複雑な形状への対応力があります。症例によって最適な選択肢が異なるため、担当医にご相談ください。
結論
セレック治療は、口腔内スキャナーによる高精度な3Dデータ取得・CAD/CAMによるコンピューター設計・セラミックの低プラーク付着性・特殊接着剤による密着固定という4つの要素が組み合わさり、二次虫歯リスクを大幅に低減します。15年残存率約93%というデータが示すとおり、長期的な口腔健康維持を重視する方、銀歯を白く替えたい方、通院回数を減らしたい方には特に有力な選択肢です。まずは本家歯科医院にご相談ください。
本家歯科医院(大阪市北区与力町)
セレック治療や銀歯のやりかえのご相談を承っています。お口の状況やご希望に合わせて、適した治療をご提案します。扇町・南森町・天満駅より徒歩6分です。
〒530-0036 大阪府大阪市北区与力町6-23 キャビン与力町ビル1F/休診日:木曜・日曜・祝日・医院指定日
院長 本家 慶洋(ほんけ よしひろ)

経歴
2012年
朝日大学歯学部歯学科 卒業
2012年
大阪歯科大学保存修復科 研修
2014年
大阪歯科大学歯内治療科 勤務
2015年
医療法人山羽歯科医院 勤務
2015年
医療法人宏仁会小池歯科医院 非常勤勤務
2018年
医療法人山羽歯科医院 副院長就任
2021年
本家歯科医院 開院
資格・所属学会
- 日本口腔インプラント学会 会員
- 日本臨床歯周病学会 会員
- インビザラインGo認定ドクター
- MORITA PRACTICE COURSE
- JIADS ペリオコース
- GCマイクロスコープセミナー
- 青嶋徹児先生ダイレクトボンディングセミナー
- GPOレギュラーコース
- 中田光太郎先生ティッシュマネジメントセミナー
- 経歯槽上顎洞底挙上術セミナー